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社会科学・社会福祉基礎講座
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第12回社会科学・福祉基礎講座 6A回レジュメ(抜すい)
福祉に学ぶ人たちへ−障害児の親の立場から−
播本裕子(大阪障害児・者を守る会)
○障害を持つ息子(武明)−知的障害最重度 吹田養護高2
「宇宙人」のような子−2〜3歳
障害を認めたくない親の気持ちとあせり
吹田市立杉の子学園(知的障害児通園施設)=障害の受容
親の気持ちに寄り添い受け止めてくれる先生
○「わが子だけ賢くしたい」から『わが子とわが子を取リ巻くすべての集団を」へ
発達保障(全障研全国大会)
「発達する権利がある」「どの子も発達する」「発達の筋道は同じ」に感動
→わが子に自信を持つ
○子育てに主体性
おむつを取って不安=登園拒否気味に
「ボク、今忙しくてウンコする暇ないねん、ママの顔はウンコ類…」(兄)
→武明のトイレットトレーニングをおむつからやり直そう
「先生の言う通り」から「私とタケでっくりあげていく」へ
=親の精神的自立
○毎日のような行方不明事件
度重なると落ち込む=「自殺するってこんな時かなあ…」
→一緒に考えてくれる先生やお母さんたちに支えられる
「会いたかったよう!」
→母親を自分から探すタケの後ろ姿に確信を持つ
→自分から現れて「タヨー」=自己決定の力
○情報を与えてくれた杉の子の先生
障害児・者関係の福祉・教育や情勢などの情報−学習会、集会、本
アドバイスしてもらえそうな先輩お母さんを紹介してもらう
○作業所の仲間やお母さん、職員との出会い
「小さい時手抜きしたらだめだよ。小さい時しかできないこと、しっかりやってたら必ず落ち着くよ」=納得するまで付き合う
問題行動を遊びのヒントに=毎日プールに・毎日三番街に・電車に…など
「小さい時だけちゃんよりも行方不明になった人だけど、今は落ち着いてこんなに仕事ができるんだよ」=今、何が大切か・・
○家族との関係
兄 自分も親にこどもとして忘れられていないと感じる場面づ<り
「障害児の弟が恥ずかしい」と思う気持ちを大切に
自分が中心になれる場−祖父母との関係、父親と二人で旅行
父親 理屈ではわかっていても障害の重さを本当に理解するまでの葛藤
父親に目を向けない武明と、彼を追いかけまわしている毎日の母親に対して疎外感=杉の子の先生が飲み会などに誘い、共感してくれる
家事を手伝う
新聞をもう1部とり早く出勤して会社で読む
仕事で連絡がつかなくなる前に家に連絡をいれる
○親から離れられる子に
小さい時からショートステイを段階的に経験
→思春期−お母ちゃんうっとうしいからショートステイに
○兄の結婚式と親の葬式には参列できる子に
旅行・ホテル・気の張る場所を経験させる
○わが子の介護で就労(自己実現)できなかった悔しさ
○介護者の健康調査に参加
「自分が生きている限りわが子の面倒をみていこう」と考えながら、教育や福祉の充実を求めて運動をして来た母親(40代、50代)から「もう体が持たない」
→行政に泣き落としではなく、客観的、科学的な事実を突き付けよう
「こどもを自立させて、私も自立したい」
研究者と親と1年がかりで調査票づくり
500名以上の調査員のほとんどが母親、3200名について調査
○健康調査の主な結果
介護者の97%が母親
まったく健康と答えた人が4%しかいない
慢性的な疲労感と自分の健康に対する不安感
40代、50代がもっとも疲れている
働いていない母親2/3強−働いている母親の方が健康
=介護や家事以外の時間がある→親の自立、子の自立に大きく関わる問題
最も困っている人が最も孤立している
.無業者層(年金生活者)−地域とつながりにくい=制度・施策を知らない
→制度・施策を利用できない=ますます困難
親子の年金を合わせないと生活できない
=いつまでも親子緒に生活せざるを得ない
○「この子を主人公に」実行委員会
わが子を親元から手放して自立させたいということを自信を持って言える
発達保障(リハビリテーション)の理念を持つ施設に入所させたい
親が目立できないと子も自立させるのがむずかしい
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