社会福祉研究交流集会
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第9回社会福祉研究交流集会

「地域から新しい福祉の流れを−憲法が息づく福祉の創造−」

2003年8月23日(土)〜24日(日) 立教大学武蔵野新座キャンパス

 

【全体会・分科会資料】
記念講演「自治体再編の本質と社会福祉運動の創造的発展」講師=池上洋通自治体問題研究所研究員
シンポジウム「地域から創る社会福祉運動」
分科会(1)深刻化する失業・貧困問題に抗して−課題と取り組みの方向
(2)介護保険制度への提案
(3)子どもの人権を守る制度改革
(4)新障害者プラン・支援費制度実施1年目の課題
(5)医療改革のゆくえと提言
(6)改定を目前に控えた年金制度をめぐる情勢と課題
(7)保育・福祉職の専門性と地位を問う
(8)女性の人権と社会福祉
基礎講座(1)夏の支援費制度集中講座−初心者からプロへの実力アップの実践講座
(2)NPO活動の現状と今後の課題−高齢者分野を中心に
【参考資料】
「今後の社会保障改革の方向性に関する意見−21世紀型の社会保障の実現に向けて(平成15年6月・社会保障審議会)ほか、《社会保障・社会福祉全体》《生活保護》《介護保険》《子どもの権利》《支援費・障害者福祉》《医療保険》《年金》《女性の人権》分野の関係資料を多数掲載。

開催要綱 (2003年7月現在、PDF26KB)

*集会への参加のお願い*

 今日、長期にわたる不況のもとで大量の企業倒産とリストラ、サラリーマンの自殺、児童虐待、高齢者の餓死・孤独死、ホームレス問題など深刻な失業と貧困問題が国民生活を直撃しています。ところが、社会保障・社会福祉の政策は、年金の給付減や医療費の3割負担などの社会保障の改悪、基盤整備が不備なままでの支援費制度の実施、雇用不安の増大など国民生活をいっそう不安定にしています。とくに社会的に弱い立場の国民層を無視する方向は大きな問題です。
 いま大切なことは、自分の専門領域、職種を越えた協同の視点と取り組みではないでしょうか。埼玉には、地域から福祉を創造していく運動の蓄積があります。今日の情勢と開催地の特色を生かして、いま求められる協同の視点と取り組みについてともに研究交流し学び合いましょう。

 主催◆第9回社会福祉研究交流集会実行委員会
  【代表呼びかけ人】 小川政亮・真田是・高島進・相澤與一
  【実行委員長】 浅井春夫
後援◆埼玉県・社会福祉法人埼玉県社会福祉協議会・埼玉弁護士会

 

 

*開催プログラム*
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12時  ●受付開始
13時  ●開会
13時30分●記念講演「自治体再編の本質と社会福祉運動の創造的発展 」
                講師 池上洋通さん(自治体問題研究所主任研究員)
15時15分●シンポジウム「地域から創る社会福祉運動」 <〜17時30分>
18時  ●交流会 <〜20時>
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9時   ●分科会 <〜14時30分/昼食休憩をはさみます> 
    @深刻化する失業・貧困問題に抗して−課題と取り組みの方向−
                  …………… 杉村 宏さん(法政大学)
    A介護保険制度への提案…………………… 宮崎牧子さん(大正大学)
    B子どもの人権を守る制度改革…………… 増山 均さん(早稲田大学)
    C新障害者プラン・支援費制度実施1年目の課題
                   …………… 峰島 厚さん(立命館大学)
    D医療改革のゆくえと提言………………… 横山寿一さん(金沢大学)
    E改定を目前に控えた年金制度をめぐる情勢と課題
                 …………… 唐鎌直義さん(専修大学)
    F保育・福祉職の専門性と地位を問う
                 ……………林 若子さん(埼玉県保育問題協議会)
    G女性の人権と社会福祉…………………… 湯澤直美さん(立教大学)
    ◎院生・学生分科会
    ●基礎講座
    T 夏の支援費制度集中講座−初心者からプロへの実力アップの実践講座−
       講師:平野方紹さん(埼玉県健康福祉部障害福祉課市町村支援担当主査)
    U NPO活動の現状と今後の課題−高齢者分野を中心に−
       講師:橋本吉広さん(NPO法人地域と協同の研究センター事務局長)
14時45分●全体会(まとめ) <〜15時30分>

 

◆シンポジウムの内容・ねらい  23日(土)15時15分〜17時30分

シンポジウム「地域から創る社会福祉運動」
    コーディネーター 垣内国光さん(明星大学教授)

【ねらい】
規制緩和と公的財政負担削減をすすめ、営利化・市場化することで「根本的解決」を図ろうとする社会保障・社会福祉の構造改革が進められるなか、それに対抗する社会的な諸運動への攻撃が強まりつつあります。
徹底した競争と市場化の論理によって福祉の質を向上させるのか、それとも、社会保障・ 社会福祉への民主的規制を強化し公的責任を明らかにし、住民参加・共同の諸運動を強めることによって福祉の質を向上させ権利を実現するのか、国民の関心が深まりつつあります。
このシンポジウムでは、ニーズを発掘し要求を実現する運動や権利実現のあり方を考える研究運動、さらに、それらを基盤として地域で胎動が始まっている福祉実践運動に着目して、交流し学びあい、それら諸運動のもつ公共的な役割を明らかにし、21世紀の社会保障・社会福祉を展望することをねらいとしています。
他の地域や分野の運動の成果に学びたい方、厳しい攻撃にさらされている実践家・運動家、 方向性を見失いそうになっている行政マン、研究者の参加者には、ちょっと元気の出るシンポジウムにしたいと思っています。(作成:垣内国光さん)

 ☆報告テーマ・シンポジスト☆ 
報告T 「地域の生活要求と合併問題−上尾市の合併問題からみえてきたもの」
              井上 茂さん(上尾市職員労働組合執行委員長)
報告U 「地域から子育て支援の実践を創造する」
              柳川道子さん(NPO法人子育て支援センターたんぽぽ代表理事)
報告V 「秋田での生活保護改善のとりくみ」
              鈴木正和さん(秋田県生活と健康を守る会会長)
報告W 「成長する要求・政策と運動−埼玉社保協の到達点」
              原冨 悟さん(埼玉県労働組合連合会事務局長)

◆分科会・基礎講座の内容・ねらい  24日(日)9時〜14時30分

第1分科会 「深刻化する失業・貧困問題に抗して−課題と取り組みの方向−」

コーディネーター 杉村 宏さん(法政大学教授)
【ねらい】 長引く不況、雇用の流動化は、多くの労働者を雇用から排除し、失業者と労働者・勤労市民の生活の不安定化を増大させています。さらにこのような状況の下で機能すべき社会的セーフティネットとし ての社会保障・社会福祉からも排除される人々の問題も深刻です。社会保障の根幹を担う生活保護制度をはじめとする諸制度を、失業と貧困問題の解決をめざすものに再構成するための課題を、関連領域の方々とともに考えたいと思います。
◆報告者:布川日佐史さん(静岡大学教授)「失業・不安定雇用・貧困の現状とセーフティネット」
◆報告者:藤井克彦さん(笹島診療所ソーシャルワーカー)「ホームレスの現状・施策の問題点、課題」
◆報告者:浦田克己さん(元大阪市生活保護ケースワーカー)「『構造改革』路線下での生存権保障の現状―生活保護法改正論議にどうかかわるか―」

第2分科会 「介護保険制度への提案」

コーディネーター 宮崎牧子さん(大正大学助教授)
【ねらい】 介護保険制度がスタートして3年が経過し、この制度だけでは介護保障ならびに高齢者の生活を支えるには困難なことがわかってきました。また、福祉労働者の労働条件も悪化しています。そこで介護保険制度の限界を明らかにし、地域社会での今後の取り組みについて討議していきます。
◆報告者:東内京一さん(和光市長寿あんしん課介護福祉担当総括主査)「地域の介護保障を確立する独自施策の展開−和光市の取り組みから−」
◆報告者:やない順子さん(医療法人財団健和会地域ケア支援センターまちかどひろば戸ヶ崎ひろば長)「『地域ケア』への模索−地域ケア支援センターまちかどひろば戸ヶ崎の実践と課題−」
◆報告者:田邊隆聖さん(特別養護老人ホーム常磐荘施設長・福井県立大学看護福祉学部講師)「介護保険と公・私問題−新たな公共性の構築をめざして−」

第3分科会 「子どもの人権を守る制度改革」

コーディネーター 増山 均さん(早稲田大学教授)
【ねらい】 「子どもの権利条約」が批准されてから約10年。子ども観を豊かにし、子どもの人権を生活の中で具体化するとりくみが、保育・子育ての分野でどのように模索され、どのように前進しているかを明らかにしていきます。子どもの権利条約カウンターレポートづくりのとりくみとともに、保育・学童保育、自立援助ホーム、子育て文化協同の各分野から子どもを主人公にした取り組みや、子どもの参加・参画を実現する取り組みを報告していただきます。
◆報告者:佐藤洋作さん(文化学習協同ネットワーク代表)「子どもの居場所づくりと青少年の自立支援」
◆報告者:梶原政子さん(第二回子どもの権利条約市民・NGO報告書をつくる会事務局)「子どもの権利条約をひろめ深める−第二回市民・NGO報告書をまとめて」
◆報告者:村井美紀さん(青少年の自立を支える埼玉の会事務局長)
      自立援助ホーム『ベアーズホーム』スタッフ・利用者
      「子どもの人権を守る制度改革−自立援助ホームの実践から」
◆報告者:実方伸子さん(全国保育団体連絡会事務局長)「保育制度『改革』の現段階と子どもを守る運動の課題」

第4分科会 「新障害者プラン・支援費制度実施1年目の課題」

コーディネーター 峰島 厚さん(立命館大学教授)
【ねらい】今年度は新障害者プラン、支援費制度スタートの年です。障害者・家族の生活実態からそれらを分析します。とくに新障害者プランは脱施設化が焦点であるかのように宣伝されていますが、入所施設の実態から出発して検討します。
◆報告者:高橋孝雄さん(社会福祉法人みぬま福祉会身体障害者療護施設大地施設長)「入所施設の実態、課題と新障害者プランの脱施設化」
◆報告者:松谷憲二さん(埼玉県ケースワーカー協会障害者問題研究部会理事)「支援費制度導入と障害者施策の今後の課題−ソーシャルワークの現状と可能性を考える−」
◆報告者:一志正厳さん(埼玉肢体障害者連絡協議会事務局次長)「障害者の生活実態、願いと支援費制度」

第5分科会 「医療改革のゆくえと提言」

コーディネーター 横山寿一さん(金沢大学教授)
【ねらい】医療改革が国民生活や医療機関にどのような影響をもたらし地域でどのような問題をひき起しているか、今後さらにどのような改革が行なわれようとしているか、この間の医療改革反対の取り組みを通じて共同の輪がどのように広がってきたかなどについて交流と検討を行い、国民皆保険を維持・発展させていくための地域における課題を明らかにします。
◆報告者:篠崎次男さん(立命館大学客員教授)「保健・医療をめぐる地域の課題」
◆報告者:田中俊正さん(倉敷医療生活協同組合常務理事/健寿協同病院・老健あかね事務長)「地域からの医療改善の取り組み−倉敷市水島地域における経験から−」
◆報告者:日野洋逸さん(医療生協さいたま 埼玉西協同病院MSW)「地域医療の現場から」

第6分科会 「改定を目前に控えた年金制度をめぐる情勢と課題」

コーディネーター 唐鎌直義さん(専修大学教授)
【ねらい】来年度は年金財政再計算の年にあたり、保険料の引上げと給付水準の引下げ、滞納者への取締まり強化を狙いとする改定案がまたもや上程されようとしています。最低保障年金の創設を要求する動きもかつてなく広範に活発化しています。年金情勢最前線をめぐって討議を行います。
◆報告者:原静子さん(無年金障害者の会代表)「無年金障害者の現状と運動の展開」
◆報告者:森信幸さん(全日本年金者組合書記長)「年金者組合の最低保障年金制度案の取組みとその意義」
◆報告者:関口昭三さん(全日本年金者組合群馬県本部玉村支部長)「年金者組合が進める高齢者の新しい地域活動」

第7分科会 「保育・福祉職の専門性と地位を問う」

コーディネーター 林 若子さん(埼玉県保育問題協議会)
【ねらい】保育・福祉の仕事は、個別具体的な人間を対象とし、自立的な判断と高度の知識・技術を求められる仕事です。しかし、行政リストラ・市場主義化のもとで、そうした専門性はないがしろにされています。この分科会では、保育・福祉職の専門性と地位・身分保障の現状を明らかにし、専門職として確立するための方途を探ります。
◆報告者:小山道雄さん(保育職員の地位向上をすすめる会世話人)「『保育職員の地位向上をすすめる会』のとりくみ」
◆報告者:森川鉄雄さん(埼玉県学童保育連絡協議会事務局次長)「学童保育指導員をめぐる状況と私たちの課題」
◆報告者:鬼澤平隆さん(さいたま市児童相談所地域相談担当副主幹)「児童相談所の現場から」
◆報告者:大場栄作さん(王子生協病院MSW・社会福祉士・介護支援専門員)「高齢者への相談実践の現場から見た課題−保育・児童分野で働く方と一緒に考える、またとない機会に−」

第8分科会 「女性の人権と社会福祉」

コーディネーター 湯澤直美さん(立教大学助教授)
【ねらい】母子家庭等自立支援対策大綱の策定、ドメスティック・バイオレンス防止法の施行と改正への動きなど、女性に関わる福祉制度はひとつの転換点にたっています。長い間、"女性と福祉"という視座は社会福祉の死角となっており、体系化が図られていません。今なお深刻な女性問題に焦点をあて、女性の人権に立脚した社会福祉のあり方を展望することをテーマとします。
◆報告者・助言者:須藤八千代さん(愛知県立大学助教授)「女性の人権と社会福祉」
◆報告者:赤石千衣子さん(NPO法人しんぐるまざーず・ふぉーらむ)「母子家庭をめぐる現状と支援施策への提言」
◆報告者:横田千代子さん(婦人保護施設いずみ寮施設長)「婦人保護施設の現状と女性支援への提言」
◆報告者:長藤葉子さん(神奈川県配偶者暴力相談支援センター)「DV被害者支援の現状とDV防止法への提言」

院生・学生分科会 「自由研究発表」……院生・学生のための自由な研究発表の場です。

助言者 高島進さん(関西国際大学教授)

基礎講座  ◎社会福祉を基礎から学びたい人のための講座です◎

T 夏の支援費制度集中講座−初心者からプロへの実力アップの実践講座−
       講師:平野方紹さん(埼玉県健康福祉部障害福祉課市町村支援担当主査)
U NPO活動の現状と今後の課題−高齢者分野を中心に−
       講師:橋本吉広さん(NPO法人地域と協同の研究センター事務局長)

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