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福祉のひろば 2013年3月号商品コード:hiroba-201303

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福祉のひろば 2013年3月号

【特集】陸前高田市の仮設住宅と米軍基地のある沖縄から生活と福祉を見る

〈1〉 今号では、?東日本大震災2年を迎える陸前高田市の仮設住宅から、自治体の生活再建やまちの復興の姿、?そして、憲法より日米安保条約や日米地位協定が優先される沖縄の姿、この二つを通して、それぞれが抱える問題と共通する課題を社会福祉を切り口に深めます。住民の生活やまちづくりをとらえる場合、現状に着目しつつもそれぞれの歴史や背景を踏まえることは言うまでもありません。しかし、この現実を目の当たりにすると、その歴史や背景を薄めてしまう姿に出あいます。まさに、被災地と沖縄です。今回は、現地での取材や研究活動(1月に開催した社会福祉研究交流集会「第17回合宿研究会in沖縄」)を通して、二つの地からの現実の日本の構造的問題があることを浮き彫りにしました。

〈2〉 岩手県南部、太平洋に面する陸前高田市の被災状況を概括します。震災当日の人口は2万4,246人。生存確認者2万2,018人(2012年10月23日現在)、死亡者(震災分)1,735人・(病死・事故死等)464人、行方不明14人、市内での遺体発見数は1,555人。それぞれの人たちが地域や社会の中で働き、活動し、暮らしていました。働き、活動していた場が津波で破壊され流出します。全・半壊した施設は、市役所庁舎、中央公民館・図書館・博物館・体育館・海洋センター・市民会館・小学校2校・中学校3校・二つの保育所・ふれあい教室・ふれあいセンター・ふるさとセンター、上水道6棟、広田診療所、ごみ焼却場、消防本部、火の見やぐら15棟、消火栓193か所、防災行政無線親局、津波観測装置、土砂災害防止システム装置、水産施設、動力船1,358隻、養殖施設3,340台、漁港・海岸施設、農地383.3ha、農業用施設772か所、林道69か所、道路50?、公営住宅158戸、等々でした。そして、避難所は当初63か所、最大84か所、避難者数は、当初8,915人、最大1万143人(生存者の46%)、仮設住宅建設戸数2,168戸です(被害状況は陸前高田市のホームページより)。住民生活を支えてきた社会資本の多くを失ったことが見えてきます。

同じ岩手県の大槌町では震災前、世帯平均年収170万円で暮らしていました。その生活を支えていたのは家と田畑と隣組の存在でしたが、津波はそれらを流出させました。陸前高田市でも生活や労働や活動を支える基盤の多くを失ったことがわかります。今回は、米崎中学校仮設住宅で、もうすぐ震災から2年を迎える人々の仮設での暮らしや就労や活動を探ります。

〈3〉 さて、沖縄での憲法施行は、1972年5月15日の復帰から始まります。しかし、沖縄では、憲法よりも日米安保条約・日米地位協定が優先され、沖縄県民はその現実の中で暮らしています。復帰以前の琉球政府時代に、日本本土に留学して社会福祉等の制度や法律を学び、沖縄でのさまざまな問題解決のための制度や政策を探求した人々が存在しました。そのことが、復帰後の沖縄の社会福祉にも重要な意味をもたらしました。辺野古の「命を守る会」の人々との交流では、「『頑張ってください』ではなく、いっしょに何を頑張るのか」を探ります。合宿研究会では、日米安保条約で多くを負担させられた沖縄の県民の福祉や生活、基地周辺の課題などを学びながら、日本の支配構造と社会福祉のありようを考えることになります。東京を中心とした情報が、いかに沖縄の現実を正しく報道していないか。そのことは、沖縄の現実を少し見るだけでも理解できます。合宿研究会に参加された方々は、沖縄の現実を目の当たりにし、同時に、沖縄で暮らす人々と向き合っている方々から生活実態の報告を受けて、共通性と困難さと、そして、明日につなげる沖縄の姿を見ます。

(編集主幹 黒田孝彦)

表紙の絵と写真
絵=神門やす子
写真=首里城近くの金城の石畳道(下野祇園)

カット
川本 浩

【ひろばトーク】

作業所で栽培したしいたけが放射線で出荷停止に。私たちは放射線の数値を
示して、安心できる生産物を自信を持って消費者に届けたい 伊藤 勇一

特集 陸前高田市の仮設住宅と米軍基地のある

沖縄から生活と福祉を見る

〈座談会〉仮設住宅に住む人たちの暮らしと願い
─陸前高田市 米崎中学校仮設住宅を訪ねて─

陸前高田市 応急仮設住宅一覧
仮設住宅の現状と住まい確保の取り組み 大坪 涼子

現地取材を通して あらゆるところでアメリカ優先を感じる沖縄
私たちの生活は私たちで守る 山田 義勝

基地問題の実相とアメリカの思惑 伊波 洋一

生活問題が顕在化しにくい沖縄 繁澤 多美

第17回合宿研 in 沖縄に参加して

トピックス

定時制高校生たちに被災地取材を報告

元大阪府立婦人保護施設「生野学園」の記念碑建立 安原能里子

連載

フォーラム 社会福祉の原点に戻るために 前田 鉄雄

──今こそ、『真田是著作集』を読もう!

ひとつのこと―社会福祉労働と私たちの実践 すみれ病院
すみれ病院はどのような糖尿病医療をめざしているのか

連載 小川政亮 第二部 自伝(12) 小川 政亮
学術会議のもと社会福祉研連の成立、原爆訴訟、そして二つの旅

相談室の窓から 青木 道忠
未(不)就労の若者を対象とする就労・雇用チャレンジ協議会(つづき)

わらじ医者 早川一光の「よろず診療所日誌」 早川 一光

不思議、ふしぎ、人間のつくり(その15)育つ風景
子どもをわかろうと奮闘する 清水 玲子

穂波のアメリカ子育て事情【最終回】 吉田 穂波
働き続けるアメリカの女性たち

映画案内 『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』 吉村 英夫

現代の貧困を訪ねて 支援活動にかかるお金の問題 生田 武志

施設訪問ボランティア 一期一会 外出介助「ふれあい」

ホームレスから日本を見れば ありむら潜

花咲け!男やもめ 川口モトコ

みんなのポスト/今月の本棚/しりとりであそぼう!&憲法クイズ【終】/福祉の動き

グラビア 東日本大震災から2年

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