福祉のひろば 2026年2月号商品コード:hiroba-202602
特集 高齢期の住まいを考える
2011年10月20日に施行された「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正により、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)制度が創設されました。以降、サ高住の登録数は年々増加し、有料老人ホームも年々増加しています。いっぽうで、「住み慣れた自宅」での暮らしを支えるために不可欠な訪問介護事業については、2025年の倒産件数が過去最多となり、訪問介護事業所がない自治体は、全国で115町村にのぼっています。この状況を、私たちはどう見たらいいのでしょうか。
高齢者の社会保障費が現役世代の社会保険料負担を押し上げているかのようなデマが広められ、世代間分断があおられています。昨今の物価高のなか、子育て世帯への支援は議論されますが、決められた年金で生活せざるを得ない高齢者への支援は、ほとんど議論されていないのが現状です。そうした状況が、高齢者から「ここで暮らしたい」という思いを表明する力をうばっているように感じます。
私たち社会福祉に携わる者は、本人がどうしたいと思っているか、ということを一番大切にしなければいけないはずです。住まいは人権であることを軽視し、本人の思いより効率化や高齢期の住まいの市場化を優先する姿勢を、許していいはずがありません。もちろん、ねがいをすべて実現できるとは限りませんが、まずは本人が自分の思いをガマンせずに言えること、そして、できる限りそのねがいに寄り添えるように、むずかしいことは一緒に考え、折り合いをつけながら、より「その人らしい」暮らしを支えていくことが、福祉にたずさわるものの本分であることを、一緒にたしかめたいと思います。
【ひろばトーク】
食と健康と農業のつながりの中で~半世紀のふりかえり~ 山崎 万里
●特集● 高齢期の住まいを考える
住み慣れた家、地域での暮らしをみんなで支える
青木節子・井村貴之・江川明美
「選べる」のは高齢者ではなく事業者側⁈
一緒に住める場所を探して──私たちの選択 松田 博幸
高齢期の住まいを考える 新井 康友
●トピックス●
「高齢者の仕事と生活に関する実態調査」報告会のご案内
「親なき後」の問題の背景にあるケアの家族依存と脱施設化政策
──「障害のある人の暮らしと、家族の健康・暮らしの調査」
田中 智子
ともに学ぶ、釜ヶ崎における子どもと若者のくらしと支援 朴 仁淑
労働組合運動から生まれた事業団活動の発展 中島 素美
自分たちのまちは自分たちでつくる!
──住民自治のカナメとしての公民館活動 申 佳弥
年賀広告
●連載●
阪神・淡路大震災発生から30年 第11回
被災者への公的支援の実現をめざして〈前編〉 高山 忠徳
なかまと職員と家族と、ともに築く暮らしの場
親子で支え合う暮らしを続けたい 森 スミエ
続・ヘルパー歳時記 信頼関係の積み重ねのなかで①
★新連載★世界のソーシャルアクション!
社会のしくみとしての困難に向き合う(イギリス) 中野加奈子
JОB&ACTION 全国福祉保育労働組合(59)
心理的安全性を組合活動の土台に
私の履歴書 社会福祉経営全国会議(59)
「ひとりぼっち」をつくらない地域をめざして 佐藤 悦弘
阿修羅がゆく わたしが好きな釜ヶ崎(79) 水野阿修羅
育つ風景 清水 玲子
子どもの気持ちをいっしょに辿っていって思ったこと
映画案内 『テルマ&ルイーズ4K』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて 生田 武志
大原孫三郎・總一郞、山川均・菊栄、石井十次
(その5・大逆事件と「冬の時代」)
似らすとれーしょん道場 似顔絵まんがアート
ばけばけじゃ ラッキー植松
ホームレスから日本を見れば ありむら潜
花咲け! 男やもめ 川口モトコ
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚
●グラビア● 安心と豊かさを実感できる暮らしの場
──いこいの村・梅の木寮──