福祉のひろば 2025年12月号商品コード:hiroba-202512
特集 島根で暮らし、働き、育てる
1960年代から使われてきた「過疎」という言葉は、島根県匹見町(現・益田市)が発祥であるように、1980年代以降、人口減少と少子高齢化がつづいています。2025年10月1日現在の島根県の推計人口は63万3105人と、10年前の2015五年とくらべて、6万人以上減少しています。県全体の高齢化率は35.2%(2024年10月1日時点)で、地域によっては5割に達しようとしています。
本誌2025五年2月号の特集で登場していただいた関耕平さん(島根大学教授)は、こうした島根県の状況について、「島根県は日本で最もはやい時期から地域社会の『解体』がはじまりました。いっぽう、最もはやく地域の『再生』へのとりくみがはじまったのも島根県です」とし、その一つとして、「小さな拠点」づくりのとりくみについて紹介してくださいました。
今号の特集では、もうすこしくわしく島根県内の地域の課題やとりくみを学ぼうと、島根県大田市、江津市、雲南市内の地域にうかがい、お話を聞かせていただきました。さまざまな課題を抱えつつも、いま地域に暮らしている人たちを大切にしたい、この地域で生まれ育ったことに誇りをもってもらいたい、地域の魅力を守りたい、と奮闘する方々に出会い、小さな地域だからこそできるとりくみやチャレンジもうかがいました。「企業組合しまね就労福祉事業団」では、民間企業が目を向けない山間部において、住民のニーズを労働組合として行政に届け、それを地域の仕事にしていくとりくみをうかがいました。地域で暮らし、働き、育てるという営みを、島根でのさまざまなとりくみから考えたいと思います。
【ひろばトーク】
利用者と職員両方の人権を守りたい ─「恵問題」と向き合って─ 丹羽 渉
●特集● 島根で暮らし、働き、育てる
地域での暮らしを守る「仕事おこし」 山室まこと
こころが通じ合うしあわせを 牛尾雅弘・安田菜緒美
――「赤ちゃん登校日」をつづけて16年
小さなまちが挑む地域再生と防災・福祉のとりくみ 神田みゆき・藤原美幸
●トピックス●
日本の高齢者はなぜ働き続けるのか
――「高齢者の仕事と生活実態調査」が示すもの 浜岡 政好
「今日より明日はよくなる」のか?!
石倉理事長にきく「骨太方針2025」のポイント〈後編〉
真田理論の理念は、グローバルな社会福祉の世界にも生きている!
伊藤 文人
総合社会福祉研究所第32回定期総会報告/新理事紹介
●連載●
阪神・淡路大震災発生から30年 第9回
災害時における保育所の役割に向き合って〈後編〉 増田 百代
なかまと職員と家族と、ともに築く暮らしの場
立ち止まりながらも歩きつづけて 小林佐江子
続・ヘルパー歳時記 「Mさんの生活」に寄り添う①
★最終回★WORK WORK──わくワク──
ゴミ拾いからはじまる創造 特定非営利活動法人ふう
JОB&ACTION 全国福祉保育労働組合(57)
個人が尊重される福祉職場をめざして
私の履歴書 社会福祉経営全国会議(57) 平澤 幸子
保育とはだれのために――公立から民間へ、私の挑戦
阿修羅がゆく わたしが好きな釜ヶ崎(77) 水野阿修羅
育つ風景 保育園の食事の“好き嫌い”をめぐって 清水 玲子
映画案内 『TOKYOタクシー』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて 生田 武志
台湾の野宿者支援団体「芒草心」を訪ねる(その2)
似らすとれーしょん道場 似顔絵まんがアート
THEノーベルSHOWじゃ! ラッキー植松
ホームレスから日本を見れば ありむら潜
花咲け! 男やもめ 川口モトコ
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚
●グラビア● 最後までここで暮らしたい
中山間地域の小規模多機能ホーム・すずらん川合