福祉のひろば 2025年6月号商品コード:hiroba-202506
特集 能登半島地震 被災地のいまと広域避難
~第29回合宿研究会~
石川県のホームページでは、「令和六年能登半島地震被災者に向けた住まい再建にかかる意向調査結果」が公表されています。
昨年12月から今年3月にかけておこなわれた調査で、建設型応急住宅、賃貸型応急住宅(みなし仮設住宅)および公営住宅に入居中の世帯1万246件を対象におこなわれ、回答世帯数は8410件、回収率は82.1%です。
郵送による調査で8割を超える回収率は非常に高く、それだけ住民が住まいの再建について不安を抱え、行政に対して希望を伝えたい、県としてきちんと対応してほしいと望んでいることがわかります。
今年4月、すべての仮設住宅への入居が完了したことが報道されました。しかし、特集で紹介する現地のみなさんの声からは、先の見えない不安や制度の対象とならない人が取り残されている現実、表には見えにくいさまざまな被害や不安があることが見えてきます。
トピックスでは、災害復興についてイタリアに視察に行かれた丹波史紀さん(立命館大学)のレポートを紹介しています。イタリアの仮設住宅は、広さが日本の2倍、無償かつ無期限で入居でき、仮設住宅を出たあとの住まいについても保障されているとのこと。
住居は「私財」であり自己責任という認識の強い日本と、住まいの保障は「基本的人権」だと考えるイタリアとの違いは歴然としています。
能登の復興の方向性について、これからも現地の人たちといっしょに考えていきたいと思います。
【ひろばトーク】
婦人相談員から女性相談支援員へ 畔上 裕子
●特集● 能登半島地震 被災地のいまと広域避難
~第29回合宿研究会~
能登半島地震 被災地のいまと広域避難
〈報告者〉水上幸夫/黒岡有子/藤本圭志/長友薫輝
〈取材記〉本府中町第一団地仮設住宅をたずねて
輪島に帰りたいのに帰れない
震災をきっかけにみえてきた地域の困りごと
●トピックス●
イタリアの災害復興とボランティアの役割〈前編〉 丹波 史紀
高齢期の労働と生活のあり方を考える
──高齢者の仕事と生活実態調査から 石川 由美
もうすぐ選挙! いのちの予算を削る大軍拡を許さない
石川 康宏
新法を知り、活用し、実効性あるものに 申 佳弥
第30回社会福祉研究交流集会in能登のご案内
●連載●
阪神・淡路大震災発生から30年 第3回
生きる力を支えた仮設住宅での実践(前編) 土谷千津子
なかまと職員と家族と、ともに築く暮らしの場
「どこで、誰と」そして「どのように」を大切に 羽生田千草
続・ヘルパー歳時記 ヘルパーの気づきの視点①
WORK WORK──わくワク──
一人ひとりの個性が商品製作に 就労継続支援A型事業所GROOVE
JОB&ACTION 全国福祉保育労働組合(51)
「ホンネのトーク会」にとりくんで
私の履歴書 社会福祉経営全国会議(51)
主人公として「生きる・働く」よろこびを 橋之爪 栄
阿修羅がゆく わたしが好きな釜ヶ崎(71) 水野阿修羅
育つ風景 保育園で習い事を別料金で 清水 玲子
映画案内 『悪は存在しない』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて 生田 武志
釜ヶ崎で毎冬続く野宿者の死
似らすとれーしょん道場 似顔絵まんがアート
コミュニケーションは気をつけて! ラッキー植松
ホームレスから日本を見れば ありむら潜
花咲け! 男やもめ 川口モトコ
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚
●グラビア● 震災から1年半 すすまない復興のもとで