福祉のひろば 2016年3月号商品コード:hiroba-201603
対象からみた社会福祉、営利企業参入の実態を考える
1月9日~10日、の大谷大学(京都市北区)において、第二〇回合宿研究会in京都を開催しました。
今回は、国民(対象)の生活実態や福祉要求に、いまの政策・運動は向き合えているのかを問い、明らかにするものとしようと確認し、報告者は、おもに京都で活躍されている方を中心にお願いしました。
1日目のテーマは、「対象からみた社会福祉」です。児童、高齢、障害分野の対象領域ごとの生活実態と社会福祉の現状、地域福祉の現状を、具体的事例や当事者の要求、調査結果などから掘り下げました。
社会保障制度審議会「95年勧告」以降、いっそう社会保障・社会福祉の国の責任があいまいになり、社会保障・社会福祉があたかも国民の相互扶助、助け合い「互助」であるかのように認識され、自助、互助、共助が強調されて、公の責任は後景に追いやられています。
社会福祉の対象課題を生活問題として、創出される社会的背景、とりわけ雇用問題、貧困問題に結びつけて対象を把握することが強く求められています。
2日目は、「営利企業参入の実態を考える」というテーマで、介護サービス(ホームヘルプサービス)、保育所、放課後等デイサービスの現場への営利企業参入の実態と、それによる福祉サービスとその利用者・従事者への影響の実態が報告されました。
最後のあいさつで石倉康次総合社会福祉研究所理事長は、起こっている問題に福祉としてどう対抗していくのか、アクションをどのような道筋で作りあげていけるか、本研究会で出された課題を参加者と共有し、京都で開催する夏の社会福祉研究交流集会につなげたいとまとめ、研究会を締めくくりました。
【ひろばトーク】
「社会参加の権利」をとりかえすたたかい 天海 正克
●特集● 対象から見た社会福祉、営利企業参入の実態を考える
合宿研 討論ハイライト
保育をめぐる矛盾と向かう方向 藤井 伸生
あたりまえに生きていくための運動の成果とこれから 山崎 信一
高齢者事業団ではたらく高齢者の実態と課題 斎藤 眞一
貧困概念をゆたかにし、見える化をすすめる 吉永 純
住民の実態から地域福祉政策を考える 志藤 修史
企業で働くヘルパーは「商品」なのか? 浦野喜代美
企業理念は保育理念と通じ得ない 山田ゆう子
放課後等デイサービス市場化の現状 榊 尚子
合宿研 参加者のかんそう
●トピックス●
『福祉のひろば』の購読、総合社会福祉研究所の会員継続をお願いします
大阪福祉事業財団城東ブロック・福祉のひろば読者のつどい
ブナの北限のまち・黒松内町を日本一健康なまちにしたい
「ハンセン病問題」を過去のものにさせない
第4回 衣笠ゼミ──早川一光さんを囲んで
四国山地 祖谷を訪ねて(グラビア解説)
●連載●
フォーラム ・生の芸術・の作品にふれて 植田 章
相談室の窓から
言葉にならない子どもの思い 青木 道忠
ソーシャルワークの原点と息吹を感じて(10)
リサーチ・ハブとフォーマル・ディナー 伊藤 文人
育つ風景 他人の痛みを知るむずかしさ 清水 玲子
「助けて!」って言ってもええねんで!
すべてはつながるためのツール(2) 徳丸ゆき子
全盲夫婦の出会いから 二人三脚のあゆみ
読み書きの自由をもとめて(3) 千田勝夫・絹枝
映画案内 『母よ、』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて 半世紀続く越冬 生田 武志
なにわ銭湯見聞録(35) ラッキー植松
銭湯の歴史・その4~銭湯の未来、あるいは未来の銭湯
いただきます!
みんな大好き! ドライ カレー 貝塚こすもすの里
ホームレスから日本を見れば ありむら潜
花咲け!男やもめ 川口モトコ
みんなのポスト /福祉の動き /今月の本棚
●グラビア●
人よりかかしが多い集落 東祖谷山・名頃 祖谷かかし村