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福祉のひろば 2013年2月号商品コード:hiroba-201302

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福祉のひろば 2013年2月号

【特集】少年更生と福祉《社会包摂への挑戦》

『犯罪白書──少年・若年犯罪者の実態と再犯防止』(2011年版)は、少年院出院者を対象に、出院後の刑事処分の有無に関する追跡調査(2004年1月〜3月の間に全国の少年院を出院した、出院時18歳・19歳の者644人が対象。男子94.1%、女子5.9%。調査内容は、出院後の犯行の有無及びその状況)を行い、少年院出院者の犯罪の実態、その要因と特徴、非行少年・若年者に対する意識調査、内的意識の特徴を分析し、少年・若年犯罪者の処遇の充実に向けた展望を試みた、としています(白書全文は法務省のホームページから閲覧できます)。

同白書を読むと、

(1) 少年による一般刑法犯(道路上の交通事故に関わる危険運転致死傷を除く)検挙人員の人口比の推移は、近年、年少少年及び触法少年の構成比が高まり、家庭裁判所による児童自立支援施設等(児童自立支援施設及び児童養護施設)に対する送致人員(その大部分は15歳以下の少年)はおおむね横ばいであり、年齢13歳以下の少年の送致人員が増加している。

(2) 少年院出院者のうち刑事処分を受けた者は、初犯犯行時年齢を見ると20歳前半から21歳前半がピークになっており、保護観察終了後、1年で過半数が、約30ヶ月で約80%の者が初回犯行に及んでいる。

(3) 少年院出院者のうち刑事処分を受けた者の少年院出院後の居住は、犯行時の住居が不定または不安定な者の比率が13.7%。実刑を受けた者は、そうでない者に比べこの比率が高く、窃盗に及んだ者はこの比率が高い。居住関係は生活基盤であり、その不安定さは生活の不安定さの指標の一つであり、犯罪の状況に影響している。

(4) 非行少年・若年犯罪者で保護処分歴または刑事処分歴がある者に対し、再非行または再犯に及んだ原因について質問した回答では、不良交友、就学・就労の問題の回答が多く、就労や就労努力が犯罪の抑止に効果があること。

(5) 監督者との生活による適切な生活管理は、犯罪の抑止に効果があること。

(6) 今後の生活や立ち直りに大切な事項は、生活習慣の改善、就学・就労の継続、家族との良好な関係の回答が多く、その他、不良交友の解消、金銭管理、資格・技術の習得等が出されています(1〜6は筆者整理)。

「少年期から若年期への移行時期は、特に少年時に非行歴のある者にとっては再非行・再犯に陥りやすい時期でもある。非行少年のうち保護観察を受けていた者は、原則として20歳となり、保護観察期間を終了し、その後の数年間は特に犯罪のリスクが高くなる。そのため、処遇が終了するまでの間に問題性の解消と就労等の生活基盤の安定を図り、社会的自立を迎えられる環境を整えるべく指導に当たるとともに、処遇の枠組みから離れた際にも、地域社会の中で適切なサポートが受けられるようにする必要がある」と白書は指摘しています。

今回の特集では、現実の更生現場、福祉現場で働く人たちの生の声を伺い、少年たちが自らの努力だけでは背負いきれない荷物にいかに多くの関係者が向き合っているか、苦悩しているかを発信し、社会問題としての少年更生を考えたい。

(編集主幹 黒田孝彦)

表紙の絵と写真

絵=神門やす子

写真=下野祇園

カット

川本 浩

【ひろばトーク】

大阪市の「市政改革プラン」は、
"まちこわし・地域福祉の絆こわしプラン" 宮下 砂生

特集 少年更生と福祉《社会包摂への挑戦》

小舎夫婦制で子どもに伴走する ――児童自立支援施設
大阪市立阿武山学園の取り組み

内面へ働きかけ、成長を待つ ――奈良少年院の取り組み

いつでも頼れる?わが家?のように ――更生保護施設 泉州寮の取り組み

大切なのは継続的な愛情保障と発達保障 ――弁護士 峯本耕治さん

少年たちの行き場を守る人たち 少年更生の仕組みと、取材を通して感じたこと

トピックス

故鍋谷州春さんの思い出 石倉 康次

福島で生き続けて 相澤 與一

福祉現場で働き続けるために 申 佳弥
――メンタルヘルス問題と若手職員の声を通して考える

連載

フォーラム アウトリーチということ 河合 克義

ひとつのこと─社会福祉労働と私たちの実践
リサイクル班の作業・活動における支援 南海香里のさと

連載 小川政亮 第二部 自伝(11)
中国訪問、学術会議、被爆者運動とのつながり 小川 政亮

相談室の窓から 青木 道忠
未(不)就労の若者を対象とする就労・雇用チャレンジ協議会

わらじ医者 早川一光の「よろず診療所日誌」
不思議、ふしぎ、人間のつくり(その14) 早川 一光

育つ風景 言ってはいけない言葉の意味 清水 玲子

穂波のアメリカ子育て事情 社会疫学への目覚め 吉田 穂波

映画案内 『東京家族』 吉村 英夫

現代の貧困を訪ねて 2013年の日本社会とこどもの未来 生田 武志

施設訪問ボランティア ゴールデンフラワーズ ジーバー
富山ハモチン一座 江口 實

私の研究ノート ソーシャルワーカーの成長過程の実相 塩満 卓

ホームレスから日本を見れば ありむら潜

花咲け!男やもめ 川口モトコ

みんなのポスト/今月の本棚/しりとりであそぼう!&憲法クイズ/福祉の動き

グラビア

高齢者が安心してくらし、住める日本を取り戻す!

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