福祉のひろば2015年7月商品コード:hiroba-201507
真田是さん(前総合社会福祉研究所理事長・福祉のひろば編集人)は、社会福祉労働を貫いてきている発展法則は、社会福祉労働の広がりと民主化であり、これを通しての社会福祉そのものの民主化ということである、と指摘しました。
いま、社会福祉実践現場は、対象の社会問題の広がりや多様化、これに向き合う職員の負担や学習の困難さ、職員の労働形態の多様化や労働内容の変化、そこから生まれる意思疎通の困難さ。それらを政策的に進めている社会福祉の自己責任論や、福祉サービス事業という市場化の動きとその影響、それらを踏まえた社会福祉要求の運動の多様化と運動を組織する困難さなど、さまざまな変化があります。
現場に入職された若者たちの社会福祉に対する学び、そして人権に対する権利という意識は、彼らが受けてきた教育の変化などもあり、現場での育成や社会福祉実践へのとらえ方、協働の課題など、ていねいさが求められる反面、現場でのていねいさを追求できる実践そのものの疎外が進行しているのが現実です。
特集ではまず、このテーマで投稿いただいたとりくみを紹介します。
つづいて紹介する座談会では、ともすれば福祉労働から疎外されている実践の記録や事例検討の位置や役割、困難な中でも継続しているとりくみやその背景について交流しました。
現場で、きびしいなかでも継続しよう、停まっていたが再開しよう、新たにとりくんでみようとつながることを期待します。
【ひろばトーク】
誰もが生きやすい、すてきな社会をめざして
杉村勇輔、前原由里子、増田 靖
●特集● 福祉現場にとっての福祉実践記録や事例検討とは……
学び合い、語り合い、深め合う実践報告 ~かりぷ学会のとりくみ~ 田名部みどり
学ぶたびに誠実に 増本 敏子
発達学習会は、実践をふりかえり、引き継ぐ場
小山吉英、金津芳江、野間亮史
今こそ、感動と共感を大切にしたカンファレンスを…… 西沢富子
ケース検討会・記入シート〈記入例〉
座談会 布藤恭子、平松知子、佐藤修、奥田次郎、中村清隆
●トピックス●
第21回社会福祉研究交流集会in埼玉 プログラム紹介
9割以上の法人は「地域公益活動」義務化に反対!
●連載●
フォーラム 植田 章
戦争と福祉~この国の平和と民主主義が問われている~
相談室の窓から
S子ちゃんの心の奥にあるもの(その2) 青木 道忠
ソーシャルワークの原点と息吹を感じて
けっこうややこしい渡英の手続き 伊藤 文人
育つ風景 アウシュヴィッツ 清水 玲子
「助けて!」って言ってもええねんで!
しんどい状況にある子と親に寄り添って 徳丸ゆき子
全盲夫婦の出会いから 二人三脚のあゆみ
子どもの頃の思い出 絹枝(3) 千田勝夫・絹枝
映画案内 『風と共に去りぬ』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて 生田 武志
10人が死亡した簡易宿泊所の火災 簡易宿泊所=旅館で生活保護とは?
なにわ銭湯見聞録(27)
ラッキー的銭湯体験記・その二 ラッキー植松
いただきます!
大葉の薬味で食欲増進! さわやかご飯 すみれ乳児院
ホームレスから日本を見れば ありむら潜
花咲け!男やもめ 川口モトコ
みんなのポスト / 福祉の動き /今月の本棚
●グラビア●
なかまといっしょ 森のキッチンのチャレンジ
声明文「私たちは戦争への道を断じて許さない」
月刊誌『福祉のひろば』編集委員会